1. このピアノテキストに込めた思い

私は音楽には、ただ単にピアノ曲を何曲か覚えて弾けるということ以上に、たくさんのことが含まれていると信じています。厳格なテクニックの指導にこ だわり過ぎたり、生徒たちが自分自身で弾きかたを模索している時に「こう弾くのが正しい、これは間違い」と指摘するのではなく、音楽の響きや可能性を自分で発見させるように指導することが最も 大切なことであると私は考えます。テクニックやレパートリーを増やすことが重要でないという意味ではありません。しかし、スケールやコードを含む全てのことは、生徒の耳を開かせ、彼らが弾いて いる音楽と結び付けるという方法で教えることができます。私はこのテキストのCDを、楽しく聴けて、一緒に歌えて、生徒たちがピアノをもっと弾きたいという気持ちになってくれるように作りました。 このテキストの全ての曲に伴奏も付けました。なぜなら生徒たちにとって連弾はとても楽しいことであり、また音楽はただ単に口で説明するだけではなく、実際に先生と生徒が一緒に演奏を体験する ことが何よりも良い指導になると思うからです。

2. パフォーマンス

何かを学ぼうとするとき、実際にやってみることが最もよい学びになると思います。ピアノを学ぶ場合、ピアノを弾けば弾くほど演奏力は上がります。私はこのテキストの中の全 ての曲を、ユニークな音楽のキャラクターをつけて作りました。そうすることでピアノのテクニックを学ぶだけでなく、様々なスタイルの音楽に触れられ、音楽的にも大きく成長することができるはずです。

3. 初見奏

このテキスト(レベル1-3)には150曲以上が収められていますが、そのほとんどが、小さな子どもたちにとってもテクニック的にそれほど難しいものではなく、譜読みで苦労することはないと思います。

4. ライティング/ワークシート

このテキストでは、いま何を学んでいるかというコンセプトを理解し確認するために、ワークシートを数多く取り入れました。また曲の一部を作って楽譜に書き

込むというワークもたくさんあります。紙に音楽を書くという作業は、ピアノを学ぶ上で大変重要な要素だと思います。

5. リスニング

言語を学ぶときに最も良い方法は、よく聴いてその真似をすることです。それは音楽も同じです。だから多くの曲の中に「聴いて真似をする」というセクションを作りました。あなた 自身でも「聴いて真似をする」アクティビティを作って、ぜひ生徒さんたちと自由に色々試してみてください。

6. 即興演奏

即興演奏は、一般的なピアノ教室ではあまり取り入れられていませんが、音楽を通して自分自身を表現する力をつけるために非常に重要な要素であると考えます。私は2010年 から小さな子どもたちのレッスンに即興演奏を取り入れ始めましたが、その結果に驚き感動しました。大人とは違い、小さな子どもたちはピアノで自由に弾いて遊ぶことが大好きでした。子どもたちは 遊ぶことによって生活の中でも様々なことを学びますが、音楽においても同じです。もしあなたが即興演奏を一度も教えたことがないなら、レッスンの中に1、2分でよいので取り入れてみてください。 2、3ヶ月後には、その結果に驚くことになると私は信じています。

7. テクニック

私は、音楽的ではないテクニックの練習を生徒にさせる必要はないと思っています。ピアノを演奏するためには身体的な要素は必要ですが、テクニックのためのテクニックだけの 練習というのは必要であるとは思いません。音楽的な要素を取り入れず、ただ単に心も込めずにスケールや練習曲を弾くことは浅はかな練習方法であり、本当に音楽を演奏していることにはなりま せん。演奏する全てのことが、スケールやコードも含めて音楽的であるべきだと考えます。だから私は、単にパターンとしてスケールを練習するのではなく、音楽的な演奏になるようスケールのパター ンに基づいて曲を作りました。これによってテクニックを付けるだけでなく、生徒の音楽性の成長を大いに助け、音楽を演奏する能力にも大きな影響を与えるでしょう。私は、テクニックの練習が音楽 を演奏することから切り離されて、別のものとして考える必要があるとは思いません。音楽を聴いたり、感じたり、表現したりする心や感情が育てば、指は自然とついてくるでしょう。

対象年齢

このテキストは3歳~6歳を対象に書かれていますが、3歳と6歳に同じように使える訳ではないということは明らかです。それぞれの年齢においてどのように使うか、私の提案を記しておきます。

 

3歳:レベル1のテキスト修了に要する期間は約1年~1年半。新しい曲に進むときはゆっくり時間をかけて、歌やソルフェージュ、リトミックのような活動をレッスンに多く取り入れる。1回のレッスンの中で、1~2曲を重点的にレッスンするよりも、5~6曲をそれぞれ1、2回弾かせる方が集中力が保たれ飽きない。ほとんどの生徒が、まだ楽譜を読む練習をするには早いが、リズムや歌などのような直感的な 音楽のスキルを磨くにはとてもよい年齢である。

4歳:レベル1のテキスト修了に要する期間は約1年。3歳よりは1曲に費やす時間を増やすことができる。しかしやはりまだ、ピアノの椅子に座っていたとしても、そのほかのアクティビティと組み合わせることは重要である。

5歳:レベル1のテキスト修了に要する期間は約6~9ヶ月。この年齢では、週に1~2曲新しい曲を加えて、程よいペースでテキスト進めていくことができる。そのほかのアクティビティも組み合わせるが、ピアノ5歳 6歳を弾く時間を多く取れるようになる。

6歳:レベル1のテキスト修了に要する期間は約4~6ヶ月。この年齢では、かなりスムーズに全てのことを理解し消化できる。時にはチャレンジとして、楽譜には片手で書かれてあるものを両手で弾かせたり、 違う場所で弾かせたり、速いテンポで弾かせたりする。

(著者)ジェイコブ・コーラー  米国アリゾナ州·フェニックス生まれ。高校に入学するま でにアリゾナ·ヤマハ·ピアノ·コンクールを含む 10 以上のクラ シック·ピアノ·コン クールで優勝する。高校ではジャズクラブで バンド活動を始め、ジャズの才能を開花させる。アリゾナ州立大 学へ入学後の 2000 年、ジャズ作曲コンクールなどで絶賛され、 2007 年には、「COLE PORTER JAZZ PIANO FELLOWSHIP」のファイ ナリストの一人に選ばれる。 2009年以降13枚のCDアルバムをリリース。全国20 年を超えるホールでジャズ映画音楽コンサートを大 成功に収める。また韓国で2014年より10回のコンサ ートを実地。 次々にアップしている超絶技巧のYouTube動画も大 人気で、総再生数3300万回、登録者17万人を有して いる。 2015年 3月にはテレビ朝日「関ジャニの仕分け」内「ピアノ王決 定戦」で優勝。 その間Jazz Japan、Chopin Magazineといった有名音楽雑誌、そして読売新聞や日経新聞に掲載され、日本全国で自身の情熱でもある"編曲"についてのアレンジセミナーを開催した。オリジナルの編曲はピアノ専門雑誌Piano Styleで特集された。2014 年東京都大田区でオリジナル教材を使って 子供/大人にもジャズ的なアプローチで指導するピアノ教室 『Jacob`s International Music School』を開く。生徒数250 人以上 jacobkoller.com YouTube: JacobKollerJapan Facebook: jacobkoller Instagram: jacobkollerthemadarranger

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